内容説明
アリスの子孫である著者が家庭教師の目から描く、「不思議の国」誕生の物語。『不思議の国のアリス』の主人公、アリスのモデルとなった少女とちょっと風変わりな隣人、ルイス・キャロルこと「ドッドスン氏」。アリスとキャロルは、こうして出会った…
著者等紹介
テイト,ヴァネッサ[テイト,ヴァネッサ] [Tait,Vanessa]
英国グロスターシャー州で育つ。マンチェスター大学卒業後、ロンドン大学ゴールドスミス・カレッジ修了。『不思議の国のアリス』のアリスのモデルとなった、アリス・リデルの曾孫にあたり、『「不思議の国のアリス」の家』がデビュー作となる
小林さゆり[コバヤシサユリ]
1966年生まれ。神奈川大学外国語学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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星落秋風五丈原
38
アリスのひ孫が書いた作品。この人はアリスの事が好きではないのだな、と感じました。有名税なのかもしれないけれど。あったかもしれない物語で赤の他人の家庭教師を主人公にして、彼女も幸せになれない。もうちょっと温かみのある終わり方はできなかったのかな、と思いました。2017/04/05
鳩羽
14
リデル家に家庭教師として勤めることになったメアリの視点から描かれる、上流階級の生活やアリスの自由奔放さ、そのアリスに夢中のドッドスンとの関わりなど。『不思議の国のアリス』の世界観を深めるというよりは、19世紀のイギリスにおける中流階級のオールドミス、メアリの個人的な人生についての小説という方が相応しいように思う。容貌に恵まれず、親子関係は不調で、結婚しなければ一人前の主婦にもなれない。ダーウィンの進化論で、これまで信じてきたことも揺るがされる時代。この生きづらさに妙に共感できる小説だった。2016/01/04
夜兎
11
「アリス」は好きだけど、この本の中のアリスには酷く苛々させられた。家庭教師の主観で語っているので、アリスには他意はなかったかもしれないけれど。ドッドスンさんも、時代背景を考えても少々やりすぎなのでは?と。現代だったら完璧に犯罪です…。フィクションだけど、「不思議の国のアリス」の裏話と思うと中々。白兎はリデル家の学長、メアリーアンは家庭教師なのかな。2015/10/19
茶器
8
『不思議の国のアリス』のモデルとなったアリス家で起こった「のかもしれない」物語。家庭教師として上流階級の子どもを叱り、マナーを教える事はあっても自身は社交界とは無縁。美、若さ、奔放を許され愛される。なんでも持っている幼いアリスと何もかも劣っている自身の人生。ロマンス小説の主人公になったかのように錯覚した後、逆恨みと思える復讐を果たす彼女が痛々しく怖い。19世紀という時代が少女小説などで書かれた可愛いらしいカーテンで隠されたものより生々しく、興味深かったです。2016/01/07
颯奏
8
不思議の国のアリスのアリスのモデルだった少女の曾孫にあたる人物が書いた小説ということでどんなものかと気になり手にしました。内容はモデルの少女アリスと作家ルイス・キャロル(ドットスン)の交流を家庭教師の女性を視点として描くもの。アリスのコケティッシュさや少女ならではな好奇心、高慢さ(悪い意味じゃなく)はさもありなんで興味深かったのですが、なんだろう、最初から最後まであたたかみのない話だなと感じました。曾孫さんは家族、家系に愛情がないのかしら。後味が悪いという以前に最初からささくれた雰囲気の作品でした。2015/11/09
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